CASCAIS -- ポルトガル--カシュカイシュ・マリーナ訪問記

K-20 ネフェルティティ 木村 圭子

 



 

 皆さんポルトガルと聞いて思い浮かぶイメージは?
  歌の好きな方ならファド、お酒の好きな方ならポルトワイン、
歴史好きの方なら天正少年遣欧使節団、地理が好きならユーラシア大陸最西端ロカ岬、等でしょうか。
 
でも一般的には「スペインを地味にしたような所?」あるいは「カステラ」。

 私達もまさにこの漠然としたイメージを抱きつつこのゴールデンウィーク、そのポルトガルへ出かけて来ました。

リスボンに滞在し市内をあちこち歩く毎日でしたが、そのうちの1日、TYCメンバーとして相応しく?
次回2007年アメリカズカップ開催候補地の一つであるリスボン郊外のカシュカイシュ(Cascais)へ
日帰りで出かけましたのでその様子をお伝えします。
 

 

 

 

リスボンからエストリル・コーストを通って
カシュカイシュの町へ

 カシュカイシュはリスボンから大西洋を眺めながら電車で30-40分。

 のんびりした電車は観光客ばかりで、もうリゾート気分です。このあたりエストリル・コーストと呼ばれる海岸一帯は、
19世紀後半にポルトガル王室やヨーロッパ各国の王室貴族が避暑地として訪れたことから開けたリゾート地だそうですが、今では私達のような観光客もリスボンから気軽に訪れる観光地となっています。

 

 
 

 でもリゾートとは言ってももともとは小さな漁村、カシュカイシュも実に小さな町で、駅に降り立ちレストランやおみやげ物屋さんが続く通りを抜けるとあっという間に目の前に砂浜が。この日も海水浴シーズンには未だ早いものの、陽射しはさすがに夏の気配、早速Tシャツを脱いで日光浴する人や海に入る子供達の姿が見られました。
 お店の看板やレストランのメニューも英語を始め数ヶ国語が並び、各国からの観光客で早くも賑わっていました。(ちなみにお隣の町エストリルは昭和天皇皇后両陛下が新婚旅行を過ごされたそうで、こんな所までいらしていたの?とびっくりです。)

カシュカイシュのマリーナへ

マリーナの収容艇数自体は夢の島マリーナにはとても及ばない程小規模ですが、マリーナへの道筋が市街からへだたり無く続いている為自然にマリーナへ到着。

 

 
 

 
 

 
 マリーナは二階建ての建物にぐるりと取り囲まれ、50軒程はあるかと思われるショップやレストランは船に乗らない人でも観光客でも気軽に立ち寄れるロケーションになっています。ちょうど好天の日曜日だった為かポンツーンには熱心にヨットの手入れをするグループ、舫を解いて出かけるグループなど見られましたが、印象的だったのは皆一つ一つの作業を実にのんびりと丁寧に行っている事でした。

 それが又皆実に楽しそう。又ビジターバースにはフランス国旗の船が目立ちました。マリーナの反対側ではジュニアを対象にしたレースか講習会でしょうか、100艇程のディンギーが次々と繰り出しては沖に消えて行きます。海上は小さな漁船が碇泊し、その向こうには大きなクルーザーが、もちろんヨットもボートもあちこちに、と賑やかな海面となっていました。

 

 
 

 

 
 

街歩き

 ← マリーナの反対側は小高い丘で頂上には古い砦の跡も残っています。

 丘には白い壁の家々が続き、所々ポルトガル版色タイル
---アズレージョ--が施され、豪華さはないものの各戸こじんまり落ち着いた統一感がありリスボンとは又違った街並みとなっています。

 ブーゲンビリアやジャカランタの花が咲くひっそりとした小道はいかにも南国。カメラ片手の観光客には絶好の散歩道です。

 
 

 一方海を見渡せる一帯にはレストランやカフェが軒を連ね、名物干しダラ料理を始めスズキのグリル、タコのリゾット等日本人にも全く違和感の無いシーフードがメニューに並びます。

 私達も是非一度は、と思っていた鰯の塩焼きとイカのグリルを堪能しました。

 (付け合せのジャガイモもすごく美味)。 



 
 


 
 食事の後は海の見えるカフェのパラソルの陰で、停泊中のクルーザーやディンギーの帆を眺めながらのんびり。

 小一時間もあれば歩き回れる小さな町ですが、穏やかな気候といかにもリゾート地らしい開放的で華やいだ雰囲気、リスボンからのアクセスの良さ等リゾート地としての魅力が充分です。

 
 


 
 

2007年

 次回アメリカズカップ開催候補地は615日現在このカシュカイシュの他、マルセイユ(フランス)、ナポリ(イタリア)、マヨルカ島のパルマ・デ・マヨルカ(スペイン)、ヴァレンシア(同じくスペイン)の5都市に絞られ、今年12月15日迄に決定されるそうです。

 カシュカイシュはカシュカイシュ・ヨット・クラブが主体となり2年前からアリンギのオーナーへ同地での開催検討を要請しているとのことです。4月から9月にかけての安定した北西の風、過去60年に亘り国際的な大会を行ってきた実績及びポルトガル政府のバックアップも得て誘致に意欲満々の模様です。(又他の開催候補地に比べ物価の安さも魅力の一つのようです。)

 カシュカイシュが次回アメリカズカップ開催地に選ばれれば是非もう一度、イカのグリルを味わいに訪れたいと思っています。
 
(ハウス委員・記)

ご参考:Cascais(ポルトガル語の発音でカシュカイシュ)。もともとは小さな小石、砂、の意だそうです。