Event Report
2012年11月06日
TYC年間シリーズの最終戦となる第10戦が11月4日に開催された。
前日の天気予報では高気圧におおわれて北よりの風〜南になる風速2m/s程度の微風が予想された。しかし、当日レース海面に出ると前夜の風がまだ残っており、北(340°〜10°)の風5m/s程度のいい風である。海上からはゲートブリッジの遠方に富士山、南方には海ほたるがきれいに見え、真っ青な空。
絶好のレース日和だ。この分だとお昼くらいまではこの風が何とか残ってほしい、と希望的観測をもとに予定レース海面の南端に本部艇を設置。風向0°±10°を確認後270°距離200mでアウターを設置。ほぼイーブンのスタートラインとした。最終戦と言う事で3時間たっぷりレースを堪能してもらおうと上マーク0°で距離1.5マイルとした。
予定通り10時にCRおよびRCがスタート。
いい風が吹いていたのとラインを長めにとったため、レース艇にとっては余裕のスタートとなった。
15分後、RBとRAのスタート。このクラスもほぼ全艇ラインに並び文句なしのスタートとなった。
1上トップ回航は義船、スタートから23分しかたってない。早い。
その後続々とマーク回航をしてスピンラン。15分遅れのスタートをしたレースABではトップ回航が20分程度かかっている。多少風が弱まったか。
その後少しずつ風が弱まり、2上では風が振れだしている。もう少しこのまま風が残ってほしい、と思いつつ思い切ってフィニッシュラインを予定通り上マーク近傍に設置。
トップ艇が2下マークを回航するころから2m/s程度と大分風が落ち、風も振れまくってきた。
最後の上りではトップ集団各艇がコース取りに苦戦。場所によっては無風状態に陥る。
のの艇およびランドフォー艇はこの無風域から脱する事ができず最後方で2上を回航。その頃いい風をつかんだレティシア・ドゥが11時59分台でフィニッシュ。
この時まだフィニッシュラインでは北寄りの風だった。ところが南から風が吹き出し、ほぼ1レグ近く遅れていた艇団がスピンを挙げて向かって来る。本部艇からも風の境がはっきり分かった。
この風に乗ってどんどん後方艇が近づいてきた。
本部でも“これはフィニッシュがとんでもない事になるぞ”と言う事で迎え撃つ覚悟で構えていた。
この間10分程度でしょうか。
CAVOKのあと義船が43分台でフィニッシュ。結局フィニッシュ直前にZEPHYROS、ASTO、そんごくう、ハートオブニッポンがスピンでなだれ込んで来た後続艇に吸収される。44分台から45分台に20艇が重なりあいながらフィニッシュ。
後続艇になだれ込まれて吸収されたASTOが行き場がなく本部艇に衝突、内側の寿丸とも接触。
本部艇でも動揺がはしった。そんな中でもビデオ班と記録係りは必至になって各艇の通過・位置関係を確認。
衝突したASTOは集団から逃れ冷静に2回転をしてフィニッシュをし直した。
悪夢のような2分が過ぎた。
すぐに記録とビデオを何度も見直しながら着タイムを確認。
先行していた義船以下5艇は何のために苦労して上ってきたのか、あきらめきれない様子がよく分かる。
これが自然相手のスポーツなのでしょう。
レース参加者および運営側にとってもいい経験だったのではないでしょうか。