Event Report
2012年07月08日
TYC 第6戦 七夕レガッタ
開催日 2012年7月1日
レース海面 ディズニーシー沖
風向 135°〜120°〜170°
風速 4〜7ノット
距離 上下5レグ 約4.0マイル
コミッティ 寿丸、レティシア ドゥ
梅雨時のレースらしく午後から低気圧の接近に伴う雨が予想される中
レース海面では比較的安定した南東〜南の微風でレースが行われた。
上マークは135°距離0.8マイルで設定、設定時ラインはほぼイーブン。
【CRクラス&RCクラス】スタート
微風ではあるがアンカリングした本部艇がラインとほぼ平行になる程度
の潮が北から南(スタートラインから押し出される方向)に流れている。
設定時にイーブンであった風向はスタート5分前頃から120°方向に
振れ、下(アウター)有利の状況下、10時定刻でのスタートとなった。
風の振れを感じて下側に艇が集まる中、潮の影響も受けて数艇が
ラインをオーバー。微風のためかなりバウダウンしてラインの内側
へ。その中アウターぎりぎりのレイラインを下一番で狙った
Malibu艇のみが艇速に加えて追潮に乗りリコール。本部艇で直ぐ
X旗の掲揚と同時にホーン1声を鳴らしたが残念ながら解消せず。
【RBクラス&RAクラス】スタート
前のクラスと同様、スタートライン付近は東側120°方向に風が振れ
たまま下(アウター)側に艇が集まる中、10時15分定刻でスタートした。
CR、RCクラススタートの15分後であるためか早くから本部艇側から
アウターに向けライン上を流す艇が数艇ある中、想定を上回る潮の
影響を受けてかスタート1分前を切っても未だ2艇がリコールとなる
ポジションに留まっている。
スタート時、前クラスと同様に下一番を狙ったそんごくう艇がライン
を越えリコール、又リコールポジションに留まっていたCAVOK艇、
Varoom Roadstar艇も、そのままライン内側に戻りきる事ができず
残念ながらリコールとなった。
両クラススタート後第1上マークまでは同様の風が続いたが、その後
風は事前の予想通り南に大きく振れ、第1下マークへのコースを西側
へ取った艇が大きく距離をゲインする展開となった。
第1下では西側のコースを取り下マークにスターボードでアプローチ
したRCのマニジュがトップで回航、続いて最近好調なZephyros。
CRクラスのトップ回航は東側からポートアプローチしたベガⅢ。軽量
な小型艇が圧倒的に有利な微風下でこの順位での回航は素晴らしい。
RB、RCクラスの多くの艇は風の振れの影響で上マーク回航後直ぐに
ジャイブして下マークへはスターボード(アーリーポート)での
アプローチ。艇数の多いフリートレースではこのアーリーポートでの
アプローチが自在にこなせると、非常に大きなアドバンテージとなる。
クルージングクラス
微風下でも自由に動く軽量艇に比べて、常に難しい操船を強いられる
クルージングクラスですがスタート直後から安定して良いスピードを
キープした翔竜艇が見事今シーズン初優勝。
優勝:翔竜 (BAVARIA 32)
2位:尾長餃(YAMAHA 31EX)
3位:ベガⅢ(OKAZAKI 401)
レースクラスC
下2番手の良いポジションからスタートし第1下マークへのスターボード
アプローチ等コース選択の良さから艇団をリードしたマニジュが微風下
における小型軽量艇のアドバンテージを活かして余裕の完全優勝。
優勝:マニジュ (YAMAHA 23Ⅱ)
2位:ZEPHYROS (YAMAHA 30R)
3位:イーグルⅠ世(YAMAHA 23Ⅱ)
レースクラスB
第1下マークでは大型艇との同時回航となり苦しい場面もありましたが
やはり微風下では隼スピリッツⅡならではの小型艇アドバンテージを
発揮し、修正でも2位に2分以上の差をつけての圧勝。
優勝:隼スピリッツⅡ(TAKA1 22)
2位:TUPAMAROSS(AC747 OD)
3位:ネフエルティティ(YAMAHA 31F)
レースクラスA
第1上マークから西側コースの選択、第1下マークへのアーリーポート
アプローチ等、堅実なコース選択でエルフィンⅤが今シーズン初優勝。
優勝:エルフィンⅤ(X-35 OD)
2位:Forte(FIRST36.7)
3位:コンステレーション(IMX-40)
レース後記:
講評でも述べさせて頂きましたが、潮(特にラインを出される方向)のあるスタートライン
ではライン上に留まっていても流されている事を十分に考慮すると共に、ライン内に戻る
時間及び、戻った事をコミッティから見える様に(現認させる)する事もリコールを取られ
ないためのスキッパーの重要な操船技術と言えるでしょう。
又、今回風のシフトから下マークへのコースを西側からアプローチした艇の多くが
その際アーリーポート(スターボードアプローチ)での下マーク回航を行いました。
下マークへのアプローチ角度にもよりますが、
1)下マークアプローチ→ジブアップ
2)スピンポールダウン→フライングでのスピントリム
3)上側(スターボード側)からのスピンダウン
4)ジャイブ→マーク回航時ジブ&メインのトリム
5)ポートタックでのクローズホールド→ジブ&メイントリム
が連続的に完璧にこなせた艇は見当たらず、特にレースクラスの艇はどんな風域でも
このアーリポートアプローチが自由に行える様に練習すれば、大きなアドバンテージ
となり特に参加艇数の多いグランプリレースでも必ず良い結果に繋がるでしょう。
記、編集:コミッティ/TYC広報委員会 寿丸 小林 茂
次回、TYCレース第7戦(東京湾ヨットレース)は8月19日に行われます。
皆さまの奮ってのご参加をお待ちしております!